コロナ劇場の千秋楽はいつ?

 

コロナ騒動が勃発し、早1年が経過した。未だにコロナの猛威が衰えることはなく、ただ人類がその卓越した順応性を誤作動させ、「慣れ」という最も厄介な現実だけが取り残されている。

私も他人のことは言えないが、コロナが日常に平然と横たわることを許している自分がいる。withコロナなんてことが実しやかに囁かれ、そう考えるのが正義だと言わんばかりにマスコミは報道し倒し、感覚の麻痺はどんどん加速する。終わってみたらあっという間だったな、なんて思うんだろうけど、今のところまだ終わりの見えない戦いであることは変わりない。

そんなぼやきを交えつつ、本当に言いたいことっていうのは、医療従事者だけど、普通に同じ人間だからコロナに感染する確率は同じだよと言うこと。有難いことに優先してワクチンは打ってもらっているが、100%感染しないということではないし。あと、家庭がある人は家族が感染することで濃厚接触者となり、出勤停止となる場合がある。私の働く病院では自分が濃厚接触者となった場合14日間の出勤停止をくらう。

クラスターこそ発生しないが、職員が濃厚接触者になり、突如出勤できなくなることで病棟が疲弊するという問題が発生している。これは防ぎようがないなと思っているのがど本音。学校とか仕事とか、生活があるから家から出ざるを得ないわけだし。

みんな沢山我慢している。もうすでに沢山の人がこのコロナにより予定変更を強いられてきた。まだ我慢しなければならないのか。当然の疑問だと思う。しかし我慢を強いられているのは医療従事者も同じなのだ。コロナのせいでイレギュラーなことが増え、その対応に追われる。やってもやっても終わらない。追い討ちをかけるように感染者は毎日過去最高を更新し、その歯止めがもううまくかからない。

これはもはや災害の域だということは頭では理解しているが、医療従事者であるが故に疫病と戦うことを強制される。戦線を離脱することはもはや許されない。なかなかどうして軍人のようだと思う日々。私がこの戦の指揮官だったら直ちに踵を返して逃げるのに…という思いとは裏腹に、今日もコロナの患者を受ける。「この人は無事に帰れたら良いな」とささやかだが痛烈な願いを込めながら。

コロナのフィナーレはどうなることやら。というか、誰かが「今日でコロナ終わりっ!」って宣言してくれんかな?その方が幕引きとしては美しくないけど、わかりやすいし。徐々に、みんなコロナコロナって言わなくなる…てところだろうな。