映画Boys don’t cryを観た感想

 

『Boys don't cry』

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一言で言うと、ここ最近でなかなか衝撃を受けた映画だった。

身体は女性だが性自認は男性という方が主人公なのだが、まだLGBTQが広く受け入れられていない時代のアメリカが舞台だ。「ホモ」や「レズ」という言葉がかなり差別的に使用され、自由の国アメリカの負の部分が抉り出されている。さらにこの作品が恐ろしいのは実話を基にしているというところだ。

別にアメリカに限った話ではないが、「人と違う」や「普通と違う」ということが差別や迫害対象になるということが歴史から窺ってもかなり多数ある。残念ながら歴史や過去の出来事だけでなく、学校生活や職場でもあり得ることだ。

私も他の人と違うことは怖い、と考えていると思う。なかなか他人と違うことを一つの個性だと捉えることが叶わない。「まじで20代の内に結婚できなかったらヤバい!周りみんな結婚してるのに…」とかって焦り散らしそう。なんだかそういう得体の知れない焦りの延長線上にそういった差別とか迫害とかがあるのだと思う。そして「普通」とか「当たり前」という言葉も危険だ。使用方法を誤ると人を傷つけたり誤解を生じたりする。そもそも自分にとっての普通や当たり前が目の前の人のそれと同じでないと考えてはならないのだ。出る杭打たれる日本なわけだしみんな一様に均されて「当たり前」や「普通」から外れることを極度に恐れる。それは自分の毎日に異分子が入り込むことも断絶するのだ。

傷つきたくないから相手を攻撃するしかない。私たち人間は、こんなにも弱い。そんな覆すことのできない事実を突きつけらる、そういう映画です。