めちゃくちゃ本読んだ休日

 

この連休中にめちゃくちゃ沢山本を読んだ。以前大人買いを決行したと報告した「銀河英雄伝説1〜10」はこの連休中に読了せしめた。

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ご存知の通り、私は旅に出ていた。1人旅だったこともあり喋る相手もおらず読書の捗ることこの上ない。リアルな話、この旅で私が発した言葉なんて20単語ぐらいだったんじゃないかと思う。お店やコンビニ、宿泊先のホテルの従業員さんに「ありがとうございます」って言ったぐらいじゃないだろうか。それ以外は人と喋ることなくインプットに勤しむ毎日。なんと芳醇だったことだろう。

銀河英雄伝説については後に熱く語りたい。まだ語る程自分の中で感情が纏まっていないので少し整理してから。そして本編は読了したが「外伝」にはまだ手をつけられていないし。

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そして村上春樹の「風の歌を聴け」も現地購入して読了。因みに長旅で沢山生成した洗濯物をコインランドリーで洗濯待ちしている間に読んでしまった。薄い本だし1時間かからなかった。お酒を身体に入れてぼーっとした頭で読んでいたのだけど、印象としては物語が終わっても本当の意味では終わらない、そういうものを予感させるのが良い。

出会いも別れも短いページ数の中にきちんと発生しており風が吹き抜けるように駆けていく。爽快感もあるし、僕と鼠と。そして彼女とのやりとり。印象的なやりとりがある。

「…誰かを好きになったことある?」

「ああ。」

「彼女の顔を覚えている?」

僕は三人の女の子の顔を思い出そうと試みたが、不思議なことに誰一人としてはっきり思い出すことができなかった。

「いや。」と僕は言った。

「不思議ね。何故かしら?」

「多分その方が楽だからさ」

なんだかこの感覚がしっくりくる。

実らなかった好きな人の顔なんて思い出せない方が案外幸せなんだと思う。「幸せな思い出は覚えておきたい」といういいとこ取りの欲張りさんも世の中には沢山いることだろう。私もその一人であることは否めないのだが、良い思い出であったとしてもそれなりの重量があれば荷物になってしまう。荷物が嵩張れば坂は登り辛くなる。 良い思い出も悪い思い出も、それなりに忘却の彼方へ投げてしまった方が人生は割とスムーズにいく、のかもしれない。ちょっとは楽して良いじゃん、となんだか心を無重力にしてくれる不思議な一説。

今後も何度もさらに読み返して、自分の好きな一説やその時の心にはまる言葉を作中から見つけていきたい、と思うそんな本だった。

どこがオススメかと問われうと返答に困るくらい抽象的に好きだし、良いなと思った。その流れではないがノルウェイの森(映画)も視聴した。作中に漂う気怠げというかそういった雰囲気が似ているなと思った。