実写化に対する苦言を少々。

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大好きな本の実写映画を最近観た。原作は洋書であったことから映画化していたことは知っていたが、Huluや Netflix等で見かけなかったことからいつまでたっても観ることが出来ず、存在さえ忘れていたのだが。dTVにて配信されているのネットサーフィン中に知り、光の速さで再生ボタンを押しちゃったわけだ。

ヒロイン役をなんと大好きなカーラ・デルヴィーニュというモデルがやっているということも相まってすっごく楽しみに観た。

のだが。

めちゃくちゃ期待してみたのに。

正直私は言いたいことと、言わなければならないことの区別がつかない大人のフリした子どもだから言っちゃうけど。

すっごい微妙だった。

何が微妙ってそれは本が原作を実写化する時にだいたいいつも物議を醸す、尺がある故の無念の割愛だ。今回も大幅カットがこれでもかという程なされていて切なくなった。というか、もうほぼ泣いていたと思う。

原作ファンからしてみるとどこも削ることができないのだけど、時間という制約を負いし映画の前ではそんな悲痛な声など無に等しくて。大人の諸事情によりガツンと切り刻まれた愛しい作品は、原作とはまた別の作品になり果ててしまった。残念な話ではあるが、原作を実写化したはいいけど大胆カットをしていたり、配役が致命的にミスっているという作品が世に蔓延っている。

実写化ヒットの打率ははかなり悪く(当社比)、ほんのひと握りしか良い成績を残していない。しかし人類はこうも文字で表現されたものを映像化、実写化したがる傾向にある。それはなぜか。映像の方が短時間で大量の情報を視聴者に提供でき、忙しい現代人の価値観にフィットしているからなんだろうな。文字はどうしても言葉を重ねることになり、慣れてないと理解に時間を要することこの上ない。言葉の重なりから出る味を楽しむというのも本ならではだと個人的ひは思うが、読書との距離が遠い人からすると大変時間のかかる行為であることは想像に難くない。しかしだ。だからと言ってあれもこれも省かれてしまったら、それは原作の実写化と胸を張って言って良いのか問題が浮上しないか?

これは増税とかする前に国会で早急に話し合ってほしい議題ではある。だって期待して実写映画を観て裏切られ、傷つく人がこの世に何人いると思う?結構いるぜ?これ以上むやみやたらに人を傷つける世界を作ってはいけない。その為にも実写化する際の注意事項とか、省略して良いはならないとかいう具体的な法案を可決させなくては。実写化することを頭ごなしに否定する気はないが、基本的には原作至上主義者たちがぬくぬくと生活できる環境をまず整えるべきだと思う。原作なしに実写化はあり得ないのだから。

だいぶ個人の趣向と我儘とがメインに押し出された激しく偏った意見だが、それだけ必死であるということはご理解頂きたい。実写映画を作る人たちが全く原作に対してリスペクトがないという気はないが、原作は原作通り過不足なく表現したりストーリー展開することで評価を得ているわけだからその点に関しては徹底的に忠実にあるべきだ。

ただ私はそう言いたいだけだ。